令和4年度全体研修会 報告

【開催報告】 令和4年度東近江介護サービス事業者協議会全体研修会「介護サービスの質と量の確保・向上のためのチームマネジメント」講師 伊藤優子氏(龍谷大学短期大学部社会福祉学科教授)

2023年2月28日、当会恒例の全体研修会を開催した。昨年末に企画していたが、第8波の影響で延期をしていた研修会。多忙な身である講師の伊藤優子さんからも再調整の協力をいただき、やっとの思いで開催にこぎつけた。

介護現場を取り巻く状況は非常に厳しく、特に人材採用については春の新卒採用ができなかった事業所も多いときく。介護現場に余裕がなく、リーダー層でもケアワークに従事せざるをえない場面も多い。このような現状があるからこそ「チームマネジメント」の重要性とリーダーの舵取りがますます高まっていると伊藤さんは言う。

研修会では、雇用管理の観点から、自身の職場の労働環境改善をチェックするワークもあった。例えば、「職員が子育てや介護、病気の治療などをしながらでも仕事を続けられる支援を行っている」かという問いがあり、私は「どちらかというとあてはまる」に○を付けたが、具体的に言語化したものがあるかと問われると思い浮かばない。スタッフひとりひとりの様々な事情に応じた働き方が求められる時代だ。スタッフの思いも様々ある。これまでは「公平性」を重んじ全体の仕組み構築を遂げてきた面があり、柔軟な対応を迫られている時代だと改めて気づかされた。加えて、業務改善において着目すべき点は、「管理職層とスタッフの認識のズレ」だという。ズレを放置することにより現場が傷む可能性もある。職位ごとにチェックシートを記入してもらい、先ずは階層間にある認識ズレの可視化に取り組んでみたい。

「丸投げではいけないし、結果だけ見ての評価もいけない。プロセス、都度の進捗確認と評価、承認がとても重要だ」という伊藤さんの言葉が非常に印象に残った。ミドルリーダーへ権限委譲などの場合、忙しさにかまけてつい任せきりにしてしまう。上席として、スタッフへ信頼・感謝・尊重の視点を根底に、結果責任を受けつつ、途上でも関与し、仕事をする際の心理的安全性をしっかりと育む丁寧さが重要なのである。

介護職が磨いてきた価値、専門性についても言及があった。ある自宅のトイレが綺麗だとする。仮にルームクリーンのスタッフなら自宅トイレが汚れていないのが望ましいが、訪問介護に従事するホームヘルパー場合「○○さん宅のトイレが汚れていないのが気になる、トイレまで行けていないのか日常生活動作の継続的観察が必要」という視点が専門職として入る。その方の「暮らし」を継続的に支え、しっかりと見ているからだ。

「何を達成するためのマネジメントなのか「目的」を見失うと、ただの「管理」になってしまう」という伊藤さんの言葉を聞きながら、介護サービスを日夜展開する事業所のあるべき組織マネジメントについて、チームリーダーたちが感じている思いに向き合えているだろうかと深耕する機会となった。

質疑の時間では、複数の質問があり、時間を超過してご対応をいただいた。

伊藤先生、ありがとうございました。

(広報担当YT)

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